バズっても、有名人にはなれない。
「ちょwwwwお前有名人じゃんwwwww」
どこかで見たことがあるであろう言葉だ。
最初この言葉が使われ始めた頃は、「twitterの狭い世界で有名人を気取る勘違い野郎」という冷笑の意味で使われたいた。
とはいえ、スマホに支配され、小学生からサラリーマンまで暇あればインターネットの世界に入る今日の社会では「SNSで一時的にでも注目を浴びる=有名」というのはあながち間違いではないのかもしれない。
人間には承認欲求がある。これは善い悪いではなく、そのように設定されているものなのだ。人間であるのであれば、承認欲求がある。あくまで仮想の世界であるSNSであっても、少しでも有名人になりたいと考えるのは何も不思議ではない。
ツイートがバズれば、大量の通知が端末に届く。それはもう鳴り止まない。ハートマークが大量に端末に映し出され、皆が自分を認めてくれると感じる。自分は興奮し「通知鳴り止まない!」とツイート、周りも興奮し「ちょwwwwwお前有名人じゃんwwwww」と認めてくれる。愉悦の時だ。
しかし、人はバズるだけでは有名人にはなれない。
昔は「twitterを始めたらフォローすべき日本のオススメアカウント!」、
今は20代男性(社会人)。
ここでまず私 Sean(読めたら英語うま男) について自己紹介をしよう。
私は昔バズりまくった。当時はバズるなんて言葉も無かったが、とにかくリツイートされまくった。
どのくらいされたかと言うと、3年間で・1,000RT以上されたツイートが・2桁ある。俗にいうパクツイなし。銭湯画家。
人口が爆発的に増え10,000RTも日常的に見るようになった今日でも、上記のようなアカウントはどちらかと言えば少数派だろう。
カプチーノのじょーじと相互フォローで、とあるサイトではNHK広報と肩を並べオススメアカウントと紹介された。2ちゃんねるにも書き込まれ(当時は2ちゃんねるでした)、ときには炎上もした。
ポニョが地上波放送されたときには二つの別々のツイートが同時にバズった。「その話題に関連したツイートがいくつかまとめてバズ」ということは多々あっても、それぞれ全く別の内容のツイートが「デュアルバズ」することは今でもそうそうないだろう。
極めつけにはGoogleで「@fe」と入力すると出たのだ。「@feat_sean」と。
検索履歴ではない。サジェストに。
世界中に多くのtwitterアカウントがある中「@fe」から始まるものといえば、当時のGoogleに言わせてみれば@feat_seanだった。
もうこれは飛ぶ鳥を落とす勢いと言っていいだろう。イキりではないことをあのインターネットの正面門・Googleが証明している。
しかし、今日多くの人はSean(読めたら英語うま男)を知らない。貴方だって知らないだろう。
何故か。人はバズっても有名にならないのだ。
コンテンツを生み出さなければ、有名ではいられない。
vineで有名になった面白い女子高生、独特なシュールギャグ4コマ漫画を書き続け地上波デビューしたWeb漫画家、朝食にパン一枚をかじり胸を躍らせ集合場所へと向かうインターネットコメディアン…
インターネットの世界では今多くの人が「コンテンツ」を生み出している。そして配信し続けている。あなたのTLにだっている。あなたもそうかもしれない。
動画を作って人を笑わせたり、写真を撮って映えたり、絵を描いて人に尊さを感じさせたり、歌ってみたり、踊ってみたり…なんだっていい。
人々にコンテンツを与え続ける。そして人々に知ってもらう。
Sean(読めたら英語うま男)には、それがなかった。
そして今もない。一般的に人を惹きつけるような、明るいものが。
TLで「バズるのが夢」と言う人を見たが、俺は絵を描き何人であれ人を幸せにできる君のほうが万倍羨ましい。
時は2019年。
そう考えるとDJあおいってすげぇよ。昔から「なんのツイートするのかよく分からんけど、めっちゃ有名な人」だけど、2019年になっても「なんのツイートする人なのか10年近く前からよく分からんけど、今では20万人にフォローされてる人」だもん。
昔を懐かしむなんて、大人になっちまったなあ。
閉鎖し404を表示するFavStarを見つめながら、四角いアイコンと星マークに思いを馳せる。